交響曲の部屋第3室

BGM/Haydn Symphony No.62 4th mov.

第53番ニ長調「帝国」

Fl. Fg. Hr. Timp. Cemb. Solo
1 1 2 不要 Fl.
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4
2/2
Largo maestoso
Vivace
序奏付き、大ソナタ
2 3/4 Andante 2つのテーマを持つ変奏曲
3 3/4 Menuetto メヌエット
トリオでフルートソロ
4a 2/2 Finale,Capriccio
Moderato
複合3部形式、ただしロンド風でもある
4b 4/4 Presto 中ソナタ、前半後半共リピート無し
4c 4/4 Presto 小ソナタ、後半リピート無し
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1778] (70) 注釈参照
注釈

この作品はいろいろな点で問題作です。ハイドンの生前ではおそらく最も広く好まれていた作品でしょう。その輝きは今日の目で見ても、全く色あせてはいません。ところが、当時あまりにも流布してしまったために、数々の違稿が存在し、研究者には甚だやっかいな問題を提供し、演奏者も二の足を踏むという状況を招いていて、今日ではむしろほとんど知られていない作品の位置に甘んじる結果となっています。私の参照したフィルハーモニア版のスコアでも3種のフィナーレが掲載されていますし、4種のフィナーレを収録したCD全集もあります。そのフィナーレの真偽の問題ですが、フィルハーモニア版のスコアでA・B・Cとされている3種の内、Aが本来のフィナーレであるというのが私の結論です。純粋に曲調を検討するかぎり、Aが一番曲調にマッチしていると思われます。ところが、本来ならば信頼に足る資料でBが採用されているケースが多いのです。その辺の事情は、全くの推測になりますが、このBはおそらくオペラもしくはその他の劇場作品の序曲であり(その本来の曲自体はおそらく火事で消失していると思われます。そう推定出来る資料は十分に存在します)、その作品が当時の人々にことさら好まれたために、当時の習慣(交響曲の楽章を置き換える事は通常的に行われていました)に従って、一種の聴衆サービスでフィナーレを入れ換えてしまい、ハイドン自身もそのやり方を認めていたのではないかという事情と思われます。なお、Cはハイドンではなく不詳の第三者の作品であるというのが、私の結論です(正確に論証するのは大変に困難で、私自身の勘が頼りの結論ではありますが)。


第54番ト長調

Fl. Fg. Hr. Trp. Timp. Cemb. Solo
2 2 2 2 不要 管がソロ的
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4
2/2
Adagio maestoso
Presto
序奏付き中ソナタ
2 3/4 Adagio assai 中ソナタ
3 3/4 Menuet Allegretto メヌエット、トリオでFg.ソロ
4 4/4 Finale Presto 中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1774 (60) 大傑作、かなりロマンの香りがある。2楽章のAdagio assaiは注目すべき楽章。バッハとマーラーのAdagioを結ぶ線か?

第55番変ホ長調「校長先生」

Fg. Hr. Cemb.
1 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro di molto Es 中ソナタ
2 2/4 Adagio,ma semplicemente 自由な変奏曲
3 3/4 Menuetto Es Es メヌエット、トリオは3声部で書かれている
4 2/4 Finale Presto Es Ges ロンド形式と変奏曲の折衷。
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1774 (60) 全体的に軽快な作品。形式的な面での実験が目につく。タイトルの由来は不明だが、曲調からのイメージとする説が有力?

第56番ハ長調

Fg. Hr. Trp. Timp. Cemb. Solo
1 2 2 不要 Fg.Ob.
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro di molto 中ソナタ
2 2/4 Adagio 小ソナタ、Fg.ソロ有り
3 3/4 Menuet メヌエット、トリオでOb.ソロ
4 4/4 Prestissimo 中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1774 (60) 祝祭交響曲

第57番ニ長調

Fg. Hr. Timp. Cemb.
(1) 2 可(異稿あり) 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4
4/4
Adagio
(Allegro)
序奏付中ソナタ
2 6/8 Adagio 変奏曲
3 3/4 Menuet Allegretto メヌエット
4 4/4 Prestissimo 中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1774 (60) 同主調転調・3楽章トリオd調を調号無しで書いている。4楽章はおそらく全作品中最も難易度が高い。

第58番へ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro 小ソナタ
2 2/4 Andante バロックソナタ
3 3/4 Un poco Allegretto メヌエット
4 3/8 Presto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1766) (40) 2 かなり初期の作風と考えられる

第59番イ長調「火事」

Fg. Hr. Cemb. Solo
(1) 2 可能 管のパートソロ目立つ
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Presto 小ソナタ
2 3/4 Andante o piu tosto allegretto C,A 小ソナタ
3 3/4 Menuetto メヌエット
4 2/2 Allegro assai 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1766) (40) 2 注釈参照
注釈

この作品の副題「火事」は、「火事/シンフォニア」と題された筆写譜が現存していることによっています。「火事」とは、エステルハーザの劇場(ハイドンの雇い主エステルハージ侯爵の所有する劇場)でヴァール一座という劇団が演じた演目に「大火事」という題名のものがあったことが判明していて、その幕間音楽として書かれた、もしくは、本来別な舞台作品の流用された作品ではないかと考えられています。作品自体、形式的には非常にコンパクトでありながら、演奏効果の高い、劇音楽的な書法で書かれていて、そのことを感じさせます。


第60番ハ長調「迂闊者」

Fg. Hr. Trp. Timp. Cemb.
(1) 2 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/4
3/4
Adagio
Allegro di molto
序奏付、中ソナタ
2 2/4 Andante バロックソナタ
3 3/4 Menuetto メヌエット
4 2/4 Presto Es,C 特殊な形式
5 2/4 Adagio (di Lamentatione) リート形式
6 2/4 Prestissimo 特殊な形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1774] (60) 注釈参照
注釈

この作品は、古典派の形式主義的な観点から見る限り、交響曲としての形を全くなしていません。後の時代であれば、交響詩、交響組曲、もしくは単に組曲というタイトルが付けられるのが妥当と思われます。タイトルの「迂闊者」(「うっかり者」「薄馬鹿」という邦題も見られます)は、交響曲第59番と同様、ヴァール一座が演じた演目のタイトルです。この作品の場合は、その劇音楽として作られたものであることが判明しております。一つ一つの楽章を無理に分析しようとすると、例えば4楽章は、提示部の第2主題が省略されたソナタ形式という事になってしまい、あまり意味のあることとも思えません。この曲の持つ本来の魅力は、19世紀の組曲作品(例えば「胡桃割り人形」)の持つ魅力と共通していると考えています。


第61番ニ長調

Fl. Fg. Hr. Timp. Cemb. Solo
1 2 2 不要 管のソロ・パートソロ有
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Vivace 大ソナタ
2 3/4 Adagio 大ソナタ
3 3/4 Menuet Allegretto メヌエット、トリオOb.ソロ
4 6/8 Prestissimo d,G ロンド形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1776 69 ファゴットが完全に独立している
2楽章の第2主題が同主短調で始まるのが印象的

第62番ニ長調

Fl. Fg. Hr. Cemb.
1 2 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/2 Allegro 中ソナタ
2 6/8 Allegretto 中ソナタ
3 3/4 Menuet Allegretto メヌエット、トリオでFg.ソロ
4 4/4 Allegro 中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1780) (77) バスティッチォ交響曲
注釈

バスティッチォとは「つぎはぎ作品」の意味です。ただし、この曲の場合はおそらく2〜4の3つの楽章は、1つの作品として構想されていたものの、完成に至る前に、第1楽章と組み合わせられてしまったと思われます。この曲の第1楽章は交響曲53番の代替のフィナーレ(4楽章b稿としたもの)を、リメークしたものです。

このような「つぎはぎ作品」は、当時、一般的には珍しい事ではありませんでした。しかし、ハイドンは、その風潮は良しとしなかったようで、まずめったにありません。それがここで成立した理由は、1779年11月18日のエステルハーザのオペラ劇場の火事にあると考えられます。火事で多くの所蔵楽譜が焼失したこと、その直後ハイドン自身が自分の出版作品を買い集めている事が記録で判明しており、たとえつぎはぎであっても、作品数を揃えなければならなかった事情が容易に想像されます(リメークであるならば、写譜屋に指示を与えて書かせる事が可能で、その時間、本人は別の作品を書く事が出来ます)。


第63番ハ長調「ラ・ロクスラーヌ」

Fl. Fg. Hr. Trp. Timp. Cemb. Solo
1 1 2 注釈 注釈 不要 管のソロが目立つ
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro 中ソナタ、第2主題が不明瞭
2 2/4 Allegretto 2つの主題を持つ変奏曲
3 3/4 Menuet メヌエット、トリオにOb.Fg.ソロ
4 2/4 Presto 大ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1779] (73) バスティッチォ交響曲
注釈

この曲も「寄せ集め」です。1楽章はオペラ「月の世界」の序曲と同じ曲で、楽器編成を変えただけのものです。しかし、この序曲は「ソマリン2世、またはサルタンの3人の妻」という劇の付随音楽として転用されたと考えられています。そしてこの曲の第3・第4楽章はその付随音楽からとられたと考えられています。ロクスラーヌというのはその劇のヒロインの名前です。ところが、実際は「ラ・ロクスラーヌ」というタイトルは第2楽章に付けられています(ハイドンの交響曲では異例の事です)。この楽章は、前記の劇の続編にあたる「花嫁ロクスラーヌ」という劇の付随音楽として書かれたものの転用であるという説が有力です。なお、これらの劇音楽は断片的な形でしか残されてなく、その全貌がまだ明らかになっているとは言えません(おそらく前記の火事で完成版が焼失したということでしょう)。

この曲は、最終版と考えられる形以前に数々の違稿が存在していて、トランペット・ティンパニが含まれる稿も存在します。


第64番イ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Allegro con spirito 中ソナタ
2 3/4 Largo 小ソナタ
3 3/4 Menuet Allegretto メヌエット
4 2/2 Presto E,fis,a 自由なロンド形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1773] (58) 3 旋律が魅力的

第65番ト長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Vivace e con spirito 中ソナタ
2 3/8 Andante 中ソナタ
3 3/4 Menuetto メヌエット、トリオ管無し
4 12/8 Presto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1771] (49) 比較的こじんまりしている

第66番変ロ長調

Fg. Hr. Cemb.
2 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Allegro con brio 中ソナタ
2 3/4 Adagio 中ソナタ
3 3/4 Menuetto メヌエット
4 2/4 Scherzando e presto g,As ロンドと変奏曲を組み合わせた独自の様式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1775] (66) チェロとバスが分離している。ファゴットがバイオリンの1オクターブ下でメロディを重ねる部分が目立つ。1ヶ所だけだが、バイオリンで左手のPizz.と考えられる所がある。

第67番ヘ長調

Fg. Hr. Cemb. Solo
2 2 不要 2Vn.Vc.
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 6/8 Presto 大ソナタ
2 2/4 Adagio 中ソナタ
3 3/4 Menuetto メヌエット、トリオ2本のVn.ソロのみというのは変わっている
4 2/2
3/8
Allegro di molto
Adagio e cantabile
C,F ソナタ風な始まりで、展開部の部分にアダージョが入る形になっている。
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1775] (66) 注釈参照
注釈

この曲は、非常に独創的な作品です。フィナーレのような急速な1楽章から始まり、中間部に弦楽3重奏で始まるアダージォをもった4楽章まで、各所にさまざまな工夫が見られます。2楽章に登場するcol legno奏法(弓の木の部分で弾く)や、3楽章のバイオリン2本だけのトリオ(しかも1本はG線をFに下げて調弦する)等は、特筆すべきものでしょう。ハイドンを研究したい人には第一にお勧めしたい曲なのですが、現代人の耳にとっては旋律的な魅力が少ないという判断で、おすすめランクはBになっています。


第68番変ロ長調

Fg. Hr. Cemb. Solo
2 2 不要 短いソロが随所にある
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Vivace 大ソナタ
2 3/4 Menuetto メヌエット
3 2/4 Adagio cantabile Es 中ソナタ
4 2/4 Presto Es ロンド形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1774] (60) メヌエットを欠く短縮版もある

第69番ハ長調「ラウドン」

Fg. Hr. Trp. Timp. Cemb. Solo
2 2 2 不要 Ob.
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/2 Vivace 中ソナタ
2 3/4 Un poco Adagio piu tosto andante 中ソナタ
3 3/4 Menuetto メヌエット、トリオでOb.ソロ
4 2/4 Presto G,c 自由なロンド形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1775 (60) ベートーヴェンを思わせる楽器の用法がある。
注釈

タイトルの「ラウドン」は実在の人名で、トルコ軍を撃破したオーストリアの元帥、ロウドン男爵のことです。


第70番ニ長調

Fl. Fg. Hr. Trp. Timp. Cemb.
1 1 2 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Vivace con brio 中ソナタ
2 2/4 Andante 2つの主題を持つ変奏曲
3 3/4 Menuet Allegretto メヌエット
4 2/2 Allegro con brio 3つの主題を持つフーガ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1778] (70) 対位法的な処理が目立つ。ニ長調で、Trp.Timp.の入っている曲はハイドンには珍しい。

第71番変ロ長調

Fl. Fg. Hr. Cemb. Solo
1 1 2 不要 2Vn.
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4
3/4
Adagio Allegro con brio 序奏付き大ソナタ
2 2/4 Adagio 変奏曲
3 3/4 Menuetto メヌエット、トリオで2Vn.ソロ
4 4/4 Vivace 中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1778] (70) メロディの親しみやすさが際立っている。

第72番ニ長調

Fl. Fg. Hr. Timp. Cemb. Solo
1 1 4 注釈 可能 Fl.4Hr.Vn.Vc.Cb.
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/4 Allegro バロックソナタ
2 6/8 Andante 小ソナタ
3 3/4 Menuet メヌエット、トリオ弦無し
4 2/4
6/8
Andante
Presto
変奏曲、各変奏にソロ有り
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1763) (27) 合奏協奏曲風
注釈

ティンパニを含む筆写譜と含まない筆写譜が双方伝承しています。元々は無かったものが不詳の第三者の手によって書き加えられたと考えるのが順当でしょうが、ハンドン自身が関与していた可能性もあります。


第73番ニ長調「狩」

Fl. Fg. Hr. Trp. Timp. Cemb.
1 2 2 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4
4/4
Adagio
Allegro
序奏付き大ソナタ
2 2/4 Andante 自由なロンド形式
3 3/4 Menuetto Allegretto メヌエット
4 6/8 Presto 中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1781 77 注釈参照
注釈

1楽章のメロディはどこかロマン派風な香りがあります。耳に心地よい音楽で、その意味ではかなり際立っています。「狩」は4楽章に付けられたタイトルで、オペラ「酬いられたまこと」の序曲を転用したものです。トランペットとティンパニは4楽章だけに登場します。これは元々が別の曲だったのが理由なのですが、それが絶大な音楽的な効果を生んでいるのが面白いところで、ハイドン自身もそれで敢えて直さなかったのだと思います。


第74番変ホ長調

Fl. Fg. Hr. Cemb.
1 2 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Vivace assai Es 中ソナタ
2 2/4 Adagio cantabile 2つの主題を持つ変奏曲
3 3/4 Menuetto Allegretto Es Es メヌエット
4 6/8 Allegro assai Es 中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1780] (75) チェロとバスの分離が一段と進んでいる。2楽章の主題をバイオリンとチェロだけで歌い切るのには驚かされる。

第75番ニ長調

Fl. Fg. Hr. Trp. Timp. Cemb. Solo
1 1 2 2 不要 2Vn.Vc.
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4
4/4
Grave Presto 序奏付き中ソナタ
2 3/4 Poco Adagio 変奏曲、第3変奏でVn.Vc.のソロがある
3 3/4 Menuetto Allegretto メヌエット
4 2/2 Vivace d,h ロンド形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1779] (73) この曲はモーツァルトが大変に気に入っていたという話が伝わっている。確かに「リンツ」交響曲に影響を与えているように思われる部分がある。

第76番変ホ長調

Fl. Fg. Hr. Cemb.
1 2 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro Es 中ソナタ
2 2/4 Adagio,ma non troppo 2つの主題を持つロンド形式風の変奏曲
3 3/4 Menuet Allegretto Es Es メヌエット
4 2/2 Allegro,ma non troppo Es 中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1782] (78) 4楽章に規模の大きなじっくり聞かせる音楽を持ってきている。2楽章の美しさは印象に残る。
注釈

ハイドンが1791年にイギリスを訪れ、第一期ザロモンセットと呼ばれる93番〜98番の名作を生み出した事は有名ですが、イギリス訪問の計画は実はそれ以前にもありました。76番、77番、78番の3曲はその計画が持ち上がった時にイギリスで演奏する目的で作曲されました。この時の渡英は結局実現しませんでしたが、後にイギリスの出版社から出版されたこともあり、この3曲は「イギリス交響曲」と呼ばれています。


第77番変ロ長調

Fl. Fg. Hr. Cemb.
1 2 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/2 Vivace 大ソナタ
2 3/8 Andante sostenuto 変奏曲の要素を含む3部形式
3 3/4 Menuetto Allegro メヌエット
4 2/4 Allegro spiritoso 単一主題の中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1782] (78) 親しみやすいメロディを持ちながら対位法的な処理が際立っている。

第78番ハ短調

Fl. Fg. Hr. Cemb.
1 2 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Vivace Es 中ソナタ
2 2/4 Adagio Es 中ソナタ
3 3/4 Menuetto Allegretto メヌエット
4 2/4 Presto 後半が拡大された2部形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1782] (81) 対位法的な処理が目に付く

第79番ヘ長調

Fl. Fg. Hr. Cemb.
1 2 2 不要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Allegro con spirito 中ソナタ
2 3/4
2/2
Adagio cantabile un poco allegro 一種の変奏曲だが、リート風の前半とテンポのアップした後半という組み合わせは特異。
3 3/4 Menuetto Allegretto メヌエット
4 2/4 Vivace f,B ロンド形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1783] (81) 2楽章の構成は他に例を見ないほど変わっている。