交響曲の部屋第1室

BGM/Haydn Symphony No.12 1st mov.

“A”変ロ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro 小ソナタ
2 2/4 Andante Es 小ソナタ
管無し
3 6/8 Allegro molto 小ソナタ
コーダ付き
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1761) (14) バロック的だが、意外な名作
注釈

この作品は、当初弦楽四重奏曲作品1の5として間違って分類されていた作品です。もともと管楽器の重要性は高くない曲で、弦楽四重奏への編曲は、多少の音楽的素養があれば誰でも出来る作業だ、と言っても言い過ぎではないでしょう。この編曲はハイドン以外の人物の手によるものと考えられています。


“B”変ロ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Allegro molto 小ソナタ
管のパートソロが目に付く
2 3/4 Menuetto
Allegretto
Es メヌエット
トリオにFg.Solo
3 6/8 Andante 2部形式
管無し
4 2/4 Presto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1757) (1) 習作風、かなりバロック的

第1番ニ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 可能
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Presto 小ソナタ
2 2/4 Andante バロックソナタ
管無し
3 3/8 Presto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1762) (23) 同主短調が目立つ
クレッシェンド効果的に使われている
注釈

記念すべき第1番ではありますが、曲調的にかなり古典派色が強まっていますので、実際には、かなり後の20番台くらいの作品と感じられます。


第2番ハ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 可能
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/2 Allegro 中ソナタ、リピート無し
2 2/4 Andante 無窮動
管無し
3 3/8 Presto c,F ロンド形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1761) (13) 同主調転調
cをフラット2つで書いている

第3番ト長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro 小ソナタ
2 2/4 Andante moderato 小ソナタ
管無し
3 3/4 Menuet メヌエット
管のパートソロ
4 2/2 Alla Breve 小ソナタ
フーガ、カノンの要素有り。リピート無し
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1760) (5) 反復進行を使っている

第4番ニ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Presto a,A 小ソナタ、第2主題短調
2 2/4 Andante F,f 小ソナタ
管無し
3 3/8 Tempo di Menuetto 小ソナタ
コーダ付き
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1760 (5) 同主調転調目立つ

第5番イ長調

Fg. Hr. Cemb. Solo
(1) 2 可能 Hr.Ob.
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/4 Adagio, ma nom troppo 小ソナタ
Hr.パートソロ
2 3/4 Allegro 小ソナタ
3 3/4 Minuet メヌエット
4 2/2 Presto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1760) (5) 教会ソナタ
注釈

教会ソナタ(ソナタ・ダ・キエザ)は、バロック時代あるいはそれ以前の呼称ですが、緩徐楽章から始まる交響曲を、教会ソナタ風の交響曲と考えて良いことになります(実際は時代が下ったことによる変化は顕著です)。ハイドンの初期中期の作品の中にはかなり見かけます。後期に現われないのは、時代の風潮、端的に言えば聴衆の嗜好の問題と考えて良いと思います。


第6番ニ長調「朝」

Fl. Fg. Hr. Cemb. Solo
1 [1] 2 必要 ほとんど全楽器にソロパートがある。
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4
3/4
Adagio
Allegro
序奏付き中ソナタ
管のソロ目立つ
2 4/4
3/4
4/4
Adagio
Andante
Adagio
序奏と後奏付き小ソナタ
Vl.とVlc.のソロ活躍
3 3/4 Menuet メヌエット
トリオでFg.Cb.Vla.Vlc.のソロ
4 2/4 Allegro 小ソナタ
各所に名人芸的ソロがある
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1761] (13) 実質的には合奏協奏曲
クレッシェンド
ピチカート
注釈

「朝」「昼」「夕べ」の3部作は、ヴィバルディの「四季」を思わせる合奏協奏曲のスタイルを持ち、ハイドン全作品の中でも特異な位置を占めています。そのころハイドンが仕えることになった、エステルハージ侯爵がハイドンに作曲を命じた作品と言われる事が多いのですが、ハイドンの方から、「侯爵のご希望通り作曲いたしましょう」と持ちかけたのがきっかけだったのではと考えています。 3曲のタイトルは、侯爵がお題として提示したものでしょう。タイトルがフランス語表記であるのは、いかにも貴族趣味を感じさせます。


第7番ハ長調「昼」

Fl. Fg. Hr. Cemb. Solo
1+(1) [1] 2 必要 ほとんど全楽器にソロパートがある。
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4
3/4
Adagio
Allegro
序奏付き小ソナタ
2 4/4 Adagio Recitativoの序奏を持つリート風2部形式
2Fl.Vl.Vlc.のソロ
3 3/4 Menuet メヌエット
トリオでCb.ソロ
4 2/4 Allegro 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1761 (13) 合奏協奏曲
注釈

この曲はフルートが2本使われていますが、1本は専門の奏者、1本はオーボエ奏者の持ち替えを意図している、と解釈できます。


第8番ト長調「夕べ」

Fl. Fg. Hr. Cemb. Solo
1 [1] 2 必要 ほとんど全楽器にソロパートがある。
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/8 Allegro molto 中ソナタ
2 2/4 Ansnte 中ソナタ
Fg.2Vl.Vlc.のソロ
3 3/4 Menuetto メヌエット
トリオでCb.ソロ
4 6/8 Presto 中ソナタ
La Tempestaの表題付き
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
[1761] (13) 合奏協奏曲

第9番ハ長調

Fl. Fg. Hr. Cemb.
(2) (1) 2 可能
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/4 Allegro molto 小ソナタ
2 2/4 Andante バロックソナタ
Fl.パートソロ
3 3/4 Allegretto メヌエット
トリオでOb.Hr.パートソロ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1762) (23) 合奏協奏曲
ビオラの扱いに工夫がある

第10番ニ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Allegro 小ソナタ
2 2/4 Andante 小ソナタ
管無し
3 3/8 Presto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1761 (13) 同主調転調

第11番変ホ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/4 Adagio cantabile Es 小ソナタ
バロック的
2 2/2 Allegro Es 小ソナタ
曲調は古典派的だがカノンが効果的
3 3/4 Minuet Es メヌエット
トリオ管無し
4 2/4 Presto Es 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1760) (5) 教会ソナタ
古典派音楽への模索が感じられる
第4楽章の規模がかなり大きい
注釈

ここまで、子細に検討した方は気が付くはずですが、メヌエットのスペルが異なっているケースが見られます。ハイドンは、その時によって、何通りかの書き方をしているのですが、何か特別な理由があって、書き分けているとは思えません。単に習慣が変わったとか、別のスペルの方が良いことに気が付いたとか、そういった理由かと思われます。その曲の作曲年代を推定する、有力なデータになる可能性を指摘する説もあります。ただし、筆写譜の場合は写譜屋が自分の書き方で書いた可能性があり、注意が必要です。


第12番ホ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 可能
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/2 Allegro 小ソナタ
2 6/8 Adagio 小ソナタ
管無し
3 2/4 Presto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1763 (27) 同主調転調
古典派スタイルに近い

第13番ニ長調

Fl. Fg. Hr. Cemb. Solo Etc.
1 (1) 4 不要 Vlc.Fl. (Timp.)
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Allegro molto 小ソナタ
2 4/4 Adagio cantabile 小ソナタ
Vlc.ソロによるコンチェルト風
管無し
3 3/4 Menuet メヌエット
トリオでFl.ソロ
4 2/4 Allegro molto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1763 (27) チェンバロを必要としないだけの語法が確立している。反面、第2主題が明確ではない
注釈

この曲はティンパニのパートが残っていますが、トランペットのパートは残っていません。他の多くのケースと同様に、ホルンと同じパートをトランペットで演奏したのか(しかしその場合、4本のホルンの内、どの2つを演奏するのかが謎となります)、ホルンが4本なので、敢えてトランペットを外した特異なケースなのか判断は難しいと思います。私の見解としましては、トランペットを入れる方が正しいと考えています。

又、第4楽章のモチーフが、ジュピター交響曲のフィナーレの冒頭4小節と同じなのが、印象的です。


第14番イ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro molto 小ソナタ
2 2/4 Andante バロックソナタ
管無し
3 3/4 Menuetto Allegretto メヌエット
Hr.パートソロ、トリオでFl.ソロ
4 6/8 Allegro バロックソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1762) (23) 2楽章のチェロとバイオリンのオクターブユニゾンは斬新

第15番ニ長調

Fg. Hr. Cemb. Solo
(1) 2 必要 Vlc.
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4
4/4
3/4
Adagio
Presto
Adagio
フランス風序曲
Hr.パートソロ
低弦のPizz.効果的
2 3/4 Menuet メヌエット
トリオでVlc.ソロとVlaのデュエット
3 2/4 Andante 小ソナタ
管無し
4 3/8 Presto 3部形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1761) (13) 構成上の工夫が顕著

第16番変ロ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro 小ソナタ
2 2/4 Andante Es 小ソナタ
Vlc.ソロ、管無し
3 6/8 Presto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1760) (5) 半音階的に下降する第1楽章のテーマは心地よい。第2楽章でVl.の1オクターブ下で、Vlc.のソロがメロディを奏でている。

第17番ヘ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro 中ソナタ
2 2/4 Andante ma non troppo As 小ソナタ
3 3/8 Allegro molto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1760) (5) 反復進行
緩徐楽章の短調はこの時代では珍しい。

第18番ト長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/4 Andante moderato バロックソナタ
トリオソナタ風の曲調
2 4/4 Allegro molto 小ソナタ
3 3/4 Tempo di menuet メヌエット、コーダ付き
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1762) (23) 教会ソナタ

第19番ニ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 可能
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro molto 中ソナタ
2 2/4 Andante 小ソナタ
管無し
3 3/8 Presto 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1759 (3) 同主調転調、反復進行
テーマの構造がしっかりしている。
緩徐楽章短調

第20番ハ長調

Fg. Hr. Trp. Timp. Cemb.
(1) 2 2 可能
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 2/4 Allegro molto 小ソナタ
2 2/2 Andante cantabile 小ソナタ、管無し
3 3/4 Menuet メヌエット、トリオ管無し
4 3/8 Presto 複合3部形式
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1759) (3) 同主調転調
cをフラット2つで書いている

第21番イ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Adagio はっきりした形式無し
強いて言えば3部形式
2 4/4 Presto 中ソナタ
3 3/4 Menuet メヌエット、トリオ管無し
4 4/4 Allegro molto 中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1764 (31) 教会ソナタ
形式的にかなり実験がある
メヌエットの出だしが、モーツァルト「小夜曲」のメヌエットに似ている。

第22番変ホ長調「哲学者」

Fg. Hr. Cemb. Etc.
(1) 2 必要 2Ob.の代わりに2E.h.
2Fl.用のバージョンもあり
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Adagio Es 中ソナタ
2 4/4 Presto Es 小ソナタ
3 3/4 Menuetto Es Es メヌエット、
トリオで管のパートソロ
4 6/8 Presto Es 小ソナタ、管のソロやソリが目立つ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1764 (31) 教会ソナタ

第23番ト長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 可能
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 3/4 Allegro 中ソナタ
2 2/4 Andante 小ソナタ、管無し
3 3/4 Menuet メヌエット、カノンで書かれている
4 6/8 Presto assai 小ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1764 (31) ソナタの形がかなり整っている
第4楽章最後のピアニッシモのピチカートとlaus deoの書き込みには遊び心を感じる。

第24番ニ長調

Fl. Fg. Hr. Cemb.
1 (1) 2 可能
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4 Allegro 中ソナタ
2 3/4 Adagio 2部形式、Fl.ソロによる協奏曲風
3 3/4 Menuet メヌエット、トリオに管のソロやソリ
4 4/4 Allegro 中ソナタ
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
1764 (31) この時代ではかなりの傑作で、聞く人を驚かせる工夫がみられる
第1楽章の短調の再現部、第3楽章のピチカートの効果、第4楽章の弱音の開始等。

第25番ハ長調

Fg. Hr. Cemb.
(1) 2 必要
楽章 拍子 速度記号 調性1 調性2 形式
1 4/4
2/4
Adagio
Allegro molto
序奏付き中ソナタ
2 3/4 Menuet メヌエット、トリオはOb.Hr.のソリ
3 2/4 Presto 小ソナタ
随所でカノン風の処理が見られる。
作曲年 作曲順 区分 おすすめランク 特徴
(1761) (13) 第1楽章が素晴らしい、反面後の2つの楽章は軽い